(s0820)

「シーボルト」

『江戸参府紀行』
「四月十六日最上徳内という名の日本人が、二日間にわたってわれわれの仲間を訪れた時に、彼は数学とそれに関係ある他の学問に精通していることを示した。支那・日本およびヨーロッパの数学の種々な問題を詳しく論じた後で、彼は絶対に秘密を厳守するという約束で、蝦夷の海と樺太島の略図が描いてある二枚の画布をわれわれに貸してくれた。しばらくの間利用できるようにというのである。実に貴重な宝ではあるまいか(中略)。
 五月七日天文学者グロビウスこと、高橋作左衛門が来訪し蝦夷・樺太のすばらしい地図を私に見せた。サンガル海峡を津軽海峡と呼んでいる。樺太とアムール河の河口の間は間宮の瀬戸という。私は彼を通じ、この群島についての地理学的著作、すなわちサンタン旅行に関する日本人、間宮林蔵の日記、カラフトの記述をもらう約束をとりかわす」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)