(s0842)

「桜田門外の変ー斬奸趣意書」

『水戸藩史料』
「追々、大老井伊家門頭所業を洞察致し候に、将軍家御幼少の御砌に乗じ、自己の権威を振はん為、公論正義を忌憚り候て、天朝・公辺の御為筋を深く存込み候御方々、御親藩を始め、公卿衆・大小名・御旗本に限らず讒誣致し、或ひは退隠、或ひは禁錮等仰付られ候様取り計らひ候(中略)豈天下の巨賊にあらずや。右罪科の儀は委細別紙に相認め候通りに候。斯る暴横の国賊其の侭指し置き候はゞ、ますます公辺の御政体を乱り、夷狄の大害を成し候儀眼前にて、実に天下の安危存亡に拘り候事故、痛憤黙止し難く、京師へも奏聞に及び、今般天誅に代り候心得にて斬戮せしめ候。申迄には之れなく、公辺へ御敵対申上げ候儀には毛頭之れなく、何卒此の上、聖明の勅意に御基き、公辺の御政事正道に御復し、尊王攘夷、正誼明道、天下万民をして富嶽の安に処せしめ給はん事を希ふのみ」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)