(s0877)

「会沢安の尊王攘夷論」

『新論』
「謹んで按ずるに、神州は太陽の出づる所、元気の始る所にして、天日の嗣世々宸極を御し、終古易らず、固に大地の元首にして万国の綱紀なり。誠に宜しく、宇内を照臨し、皇化の□ぶ所、遠迩有る無かるべし。今、西荒蛮夷は脛足の賎を以て、四海に奔走し、諸国を蹂躙史、眇視跛履、敢て上国を凌駕せんとす。何ぞそれ驕れるや。(中略)凡そ物として、自然の形体有りて存せざるはなし。而して、神州、其の首に居る。故に幅員甚だ広大ならず。其の万方に君臨する所以のものは、未だ嘗て一も其の姓を易へ、位を革めざればなり。西洋の諸蕃は、其の股脛に当る。故に船を奔らし、舸を走らし、遠しとして至らざるなし。而して、海中の地、西夷名づけて亜墨利加洲と日ふ者に至っては、則ち其の背後なるが故に、其の民愚□にして為す所あるあたはず」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)