(s0880)

「水野忠徳の朝廷批判」

『懐往事談』
「今日に至りては余は真面目を以て承久の先例取調べしとは申すなり。其の故如何と云はんに、幕府の官吏には勿論是迄に多少の過あるに相違なけれども、国内の論難を排除して幕議を定め余が如き不肖の身を顧みずして条約の全権を受け、外国公使と幾多の談判を重ね和親貿易の条約を結びたるは何ぞ。我大日本帝国を安全に保たんが為に非ずや。然るに今度攘夷の勅諚を奉りて下向の勅使某殿と云へる青公卿が和戦の利害を討究はせで寧ろ日本全国を挙て焦土となすとも攘夷を御実行遊ばされ度が叡念なりと申したりと承はる」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)