(s0893)

「寺島宗則の英外務省への建議」

『薩藩海軍史』
「我朝、外国と条約を結べるは幕府なれども、方今諸藩其の権を剥ぎ、之を京都なる帝室に復せんとす。故に諸藩士、頻に外交を妨げ、外人をして幕威の及ばざることを知らしめんが為に、魯人を殺し英公使を襲ひ、其の他穏当ならざる所為ある者は、皆幕府に叛くが為なり。且日本国物産の生ずる所多くは藩地に在れども、各藩士をして自由に貿易せしめざるが為に、外人広く貿易を為し難し。故に英国政府も亦、日本政権の王室に帰することに助力して、其の条約批准の主を王室に移す時は、各藩の服従せざるの如き幕府に対しせる条約は、日本真主の約する所にあらず。永く之を保持して両国の益となすべからざる者なり」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)