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「奇兵隊の結成」

『奇兵隊日記』
「文久三年六月七日付
赤間関、一昨五日の変に付、私儀御前に召出され、防禦方御委任仰付けられ候段、御直に仰聞けられ其の意を得奉り候。馬関到着仕り候処、有志の者、日増に相加はり候模様これ有り候間、不日に奇兵隊相調へ、屹と防禦の手段仕るべしと存じ奉り候。夫夫、廉々左に存付に仰付けられ度く願ひ奉り候。
一、奇兵隊の儀は有志の者相集り候儀に付、陪臣、軽卒、藩士を選ばず同様に 相交わり、専ら力量を以て貴び、堅固の隊相調へ申すべしと存じ奉り候。
一、(中略)
一、奇兵隊人数、日々相加わり候に付ては、是まで小銃隊の内にこれ有り、又 は、小吏相勤め候もこれ有り、其の御一手人数の内もこれ有るべく候へ共、 畢竟匹夫も志を奪ふべからずに候へば、是等も拒ぎ難き趣御座候。素より、 御組立人数を是より相招きは仕らず候へ共、自然奇兵隊に望み参り候はゞ、 隊中へ相加へ申すべしと存じ奉り候。
一、此往き、合戦ごとに銘々勇怯も相顕れ申すべくに付、日記、具さに相調へ 置き差出すべく候間、賞罰の御沙汰、陪臣、軽卒、藩士に拘はらず、速やか に相行はれ候様仕り度く存じ奉り候。
一、隊法の儀は和流、西洋流に拘はらず、おのおの得物を以て接戦仕り候事」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)