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「薩摩藩の長州再征反対論」

『島津久光公実記』
「慶応二年四月十四日付
一昨年、尾州前大納言様総督として差向はされ、伏罪の儀相立て、解兵迄相成り候処、却て御譴責同様の御都合にて神速御上洛の朝命御請けこれ無きのみならず、改て容易ならざる企これ有る由を以て、御再討仰出され、御進発相成り、終に今日に立至り候。御討入の時宜に相成り候へば、天下の乱階開かせられ候事実明白なる事に御座候。朝廷より時勢相応の御処置を以て寛典に処せられ候御趣意も在らせられ候処、御奉戴これ無き由、伝聞仕り、天下衆人物議喧々聞くに堪へざる次第に御座候。征伐は天下の重典、国家の大事、後世青史に恥じざる名分大義判然相立ち、其の罪を鳴らし、令を聞かずして四方響応致し候様これ無く候ては、至当と申し難く、尤も凶器妄に動かすべからざるの大戒もこれ有り、当節天下の耳目相開き候得は、無名を以て兵器振うべからざるも顕然明著なる訳に御座候」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)