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「薩長連合盟約文」

『木戸孝允文書』
「慶長二年一月二十三日付
一、戦と相成り候時は、直様二千余の兵を急速差登し、只今在京の兵と合し、 浪華へも千程は差置き、京坂両処を相固め候事。
一、戦自然も我勝利と相成り候気鋒これ有り候とき、其の節、朝廷へ申上げ、 屹度尽力の次第これ有り候との事。
一、万一、戦負色これ有り候とも、一年や半年に、決して潰滅致し候と申す事 はこれ無き事に付、其の間には、必ず尽力の次第、屹度、これ有り候との事。
一、是なりにて幕兵東帰せしときは、屹度朝廷に申上げ、直様冤罪は朝廷より 御免に相成り候都合に屹度尽力との事。
一、兵士をも上国の上、橋・会・桑等も、只今の如き次第にて、勿体なくも朝 廷を擁し奉り、正義を抗み、周旋尽力の道を相遮り候ときは、終に決戦に及 び候外これ無しとの事。
一、冤罪も御免の上は、双方誠心を以て相合し、皇国の御為に砕身尽力仕り候 事は申すに及ばず、いずれの道にしても、今日より双方皇国の御為、皇威相 輝き、御回復に立ち至り候を目途に誠心を尽し、屹度尽力仕るべしとの事」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)