(s0911)

「薩土盟約」

『大久保利通関係文書』
「慶応三年六月付
前文
 方今皇国の務、国体制度を糺正し、万国に臨みて恥じず、是れ第一義とす。其の要、王政復古、宇内の形勢を参酌し、天下後世に至て猶其の遺憾なきの大条理を以て処せん。国に二王なし、家に二主なし、政権一君に帰す、是れ其の大条理。我皇家綿綿一系、万古不易、然に古郡県の政変じて今封建の体と成る。大政遂に幕府に帰す。上皇帝在るを知らず。是れを地球上に考ふるに、其の国体茲の如き者あらん歟。然れば則ち制度一新、政権朝に帰し、諸侯会議、人民共和、然る後庶幾は以て万国に臨みて恥じず、是れを以て初て我皇国の国体の特立する者と云べし。(中略)
主旨
一、国体を協正し、万世万国に亙て恥じず、是れ第一義。
一、王制復古は論なし。宜しく宇内形勢を察し参酌協正すべし。
一、国に二帝なし、家に二主なし。政刑惟一君に帰すべし。
一、将軍職に居て政柄を執る、是れ天地間有るべからざるの理なり。宜く侯列 に帰し、翼戴を主とすべし」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)