(s0912)
「山内豊信の大政奉還の建白書」 |
『山内家文書維新史』 |
「誠惶誠恐謹みて建言仕候、天下憂世の士、口をとざして敢えて不言に至り候は誠に可懼の時に候、朝廷・幕府・公卿・諸侯旨趣相違ふの状あるに似たり、誠に可懼の事に候。此二懼我の大患にして彼の大幸也。彼の策、是に於てか成ると可謂候。如此事態に陥り候は、其責至竟誰に可帰や。併し既往の是非曲直を喋々弁難すとも何の益かあらん。唯願くば、大活眼、大英断を以て、天下万民と共に、一心協力、公明正大の道理に帰し、万世に亘て不恥、万国に臨んで不愧の大根底を建てざるべからず。(中略)只管此事のみ日夜焦心苦思仕り罷在候。因りて愚存の趣、一二家来共を以て言上仕候。唯幾重にも公明正大の道理に帰し、天下万民と共に皇国数百年の国体を一変し、至誠を以て万国に接し、王政復古の業を建てざるべからざるの一大機会と奉存候。猶又、別紙とくと御細覧仰せ付けられ度く、懇々の至情黙止し難く、泣血流涕の至に不甚候。 慶応三年丁卯九月 松平容堂」 |
現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |