(s0933)

「大坂とその近郊の打ちこわし」

『大久保利通関係文書』
「慶応二年五月十六日付
大坂中の混雑、御遠察下さるべく、此の勢ひを醸出し候は、全く此の節上納金より相起りし事の様察せられ申し候。上納金仰出され候以後出銀相掛り、富家とも都て普請等取止め候処、大工・日用・左官・畳屋・立具や等、仕事これなく、毎日長町乞食仲間へ落ち候もの引もきらずとの事は、早く相聞得、何か事に相成るべしと咄居り候処、案中此の事に相成り候。唯今は大坂中一軒も米や職いたし候ものこれなく、銭のあるものも、大に込り居り候由、(中略)長防等の儀も何も其の後承り得申さず、当分の所にては長州所ではこれ無き様存ぜられ申し候。取靜として召捕り候へば、殺さるる方がよいの、牢舎して御賄にあふが楽じやと、悪口申し、或ひは此の張本人は御城の内に御座なさるゝなどとも申し候由」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)