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「日朝修好条規」

『大日本外交文書』
「第一款 朝鮮国は自主の那にして日本国と平等の権を有せり。嗣後両国和親 の実を表せんと欲するには被此互いに同等の礼儀を以て相接待し、毫も侵 越猜嫌する事あるへからす。先づ従前交情阻塞の患を為せし諸例規を悉く 革除し、務めて寛裕弘通の法を開拡し、以て雙方とも安寧を永遠に期すべ し。
第五款 京圻・忠清・全羅・慶尚・咸鏡五道の沿海にて、通商に便利なる港 口二箇所を見立たる後、地名を指定すべし。開港の期は、日本暦明治九年 二月より、朝鮮暦丙子年正月より、共に数へて二十個月に当るを期とすべ し。
 第八款 嗣後日本国政府より朝鮮国指定各口へ時宜に随ひ日本商民を管理す るの官を設け置くへし。若し両国に交渉する事件ある時は該官より其所の 地方長官に会商して弁理せん
第九款 両国既に通好を経たり。彼れ此れの人民各自己の意見に任せ貿易せ しむべし。両国官吏毫も之れに関係することなし。又貿易の制限を立て、 或ひは禁泪するを得ず。□し両国の商民、欺罔衒売又は貸借償はざること ある時は、両国の官吏厳重に該逋商民を取糺し、債欠を追弁せしむべし。 但し両国の政府は之を代償するの理なし。
第十款 日本国人民、朝鮮国指定の審断に帰すへし。若し朝鮮国人民罪科を 犯し日本国人民に交渉する事件は均しく朝鮮国官員の査弁に帰すへし。尤 雙方とも、各其国律に拠り裁判し、毫も回護袒庇することなく、務めて公 平充当の裁判を示すへし(中略)」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)