(s0999)

「木戸孝允の征韓論」

『大隈伯昔日譚』
「表面上の議論として、且、有力なる議論として廟堂有志の顧慮を惹きたりしものは、明治元年に於ける木戸孝允の征韓論を以て嚆矢と為す。木戸の議論を目し、直に征韓論てふ名を以てするは、梢妥当を欠くの嫌なきにあらざるも、彼は維新の変革に由りて激揚したる人心を外に向け、以て其間に変革の善後策を講ずるの必要を感じたると、且つ、韓の妄慢無礼は、竟に不問に付し置く可らずを思ひ、又、韓に対して其の妄慢無礼の罪を問ふは、啻に激揚したる人心を外に向くる所以の途のみならず、即ち、是れ韓土を克服して我と往古の関係を保たしむる所以の策なるを思ひたる由り、対韓問題を掲げ来り」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)