(s1003)
「西郷の内政改革」 |
『明治文化全集』 |
「今日の計は断然武政を布きて、天下柔弱軽佻の気風を一変し、国家の独立を全ふするの為には外国と一戦するの覚悟を取るを以て上計とす。是れ国を興すの早道なり。(中略)今、此の武政を立るの方案は、先づ全国の租税を三分して兎に角二分を陸海軍に費す事と定め、而して已に士族の常識を解きし者を従前に引き戻し、全国の士族を配して悉く六管鎮台の直轄となし、厳格の法律を立ててこれを制裁し、丁年以上四十五歳迄の男子は残らず常備予備の両軍に編すべし。 (中略)全国一般の平民は屯田の法に倣ひ、処々に軍団を置き、男子の役に堪ふる者を冬春の候に挙げて悉く徴集訓練し、以て護国軍となし、全国男子の風教は所謂武士道を以て陶冶すべし。而して政府は不必用の官省を悉く廃し、質素倹約を旨として、甚しく言はば茅屋破壁の内に公務を弁ずと云ふ有様に痛く節減を加へ、其の左右大臣中の一人は必ず大将を以てこれに任じ、親しく天皇陛下の命を受けて海陸の大権を収め、以て此の武政を統一せべし」 |
現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |