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「木戸孝允の鹿児島県政批判」

『木戸孝允日記』
「明治九年十二月五日条
今日士族禄券一条に付、鹿児島県の苦情に付、格別の御沙汰となれり。此事自然他県なるときは、必ず政府上も此の議論起らざることを前々の経験を以て確信せり。余屡士族一般の為めに議論を起し、又人民一般の為め議論を起し、只管公平の施設あらんことを希望すると雖も、政府の都合を以て圧制の評議に陥り、彼に同意の人数多数となり、終に余の議論貫徹せざる事数度ならず。余も人民の政府に列するところの一人たるを以て務て尽力するところ皆水泡に属す。然して鹿児島の勢力にて独り幸福を得るに至りては、実に政府の為に概嘆に堪えざるなり」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)