(s1031)

「官営工場払い下げ」

『東京日日新聞』
「明治十三年十一月六日付
頃日の風伝によれば、官庁に属する商売に類似に工業は、追々人民の手に委せて民と利を争ふの嫌ひを避けらるゝよし。是は左もあるべし。殊に是まで所々に工場を起させられしも、人民の力にて一寸となし能はざる事業のみを、官にて手ほどき同様に取掛られ、其事の整頓するに至れば人民に渡さるゝ御趣意なりと聞きしものをや。
 又同日同官より三省一使へ左の通り達せられたり。
   各通 内務省 工部省 大蔵省 開拓使
 工業勧誘の為め政府に於て常置したる諸工場は、其組織整備して最初目算の事業漸く挙がるに従ひ、官庁の所有を解て之を人民の営業に帰すべきものに付、別紙概則に準拠し、其省使諸管工場漸次払下げの処分に及ぶべし。此旨相達候事
  (工場払下げ概則  略)」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)