(s1046)

「士族の窮乏」

『士族授産の研究』
「当宇都宮藩士族の現今、当地に居住するもの凡そ八百十四戸あり。而して農業に従事せる者(自ら耕耘し又は地主となるもの)八十戸、職工(大工、指物師、傘張、経師、石工、鉄工)を為す者
二十一戸、商業を営む者二十二戸、是等は皆其の産業を以て将来生計を維持するに足るものならん。然れども他の六百九十戸は未だ就産の目的確立せざるものにして、此の内五百五十六戸は家屋邸地等の不動産及び若干円の公債証書或ひは幾分の蓄財を所有し、傍ら庶業(教員、戸長其の他官署の雇)及び提灯張等の内職を為し漸く一家の経済を調理するも、他の百三十五戸は全く無産の赤貧にして、荷車・人力車を曳き或ひは日雇業を為し、僅に得る所の賃銭を以て一家を糊するに過ぎざるのみ」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)