(s1068)

「官吏のヒゲ」

『明治文化全集』
「近来、官員の口髯を延すこと大に流行せり。勅奏官の紫毛森然馬車に駕し、路塵を蹴立て喝々疾駆せるは、高位高官の威儀仰がれていとも殊勝なれど、更に抱腹に堪へざるは、下等官員の叨りに之を模擬し、鼻下に少しの毛を蓄へ、世に所謂る那汲列翁ひげと云るものの如くし、長袴を着け行厨と腰にし、沓音高らかに歩行す。宛も参議・卿・輔の有様の如し。其級を門へば十二・三等、其居を門へば、某街、幾番地、水菓子渡世某楼上寄留などと。其形を視て其中を察す識者の嘲りを免れず」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)