(s1074)

「大逆事件」

『幸徳秋水伝』
「判決理由書
 被告幸徳伝次郎は社会主義を研究して明治三十八年北米合衆国に遊ひ、深く其他の同主義者と交り遂に無政府共産主義を奉するに至る。其帰朝するや専ら力を同主義の伝播に致し、頻同主義者の間に重せられて隠然首領たる観あり。…明治四十一年六月二十二日錦輝館赤旗事件と称する官吏抗拒及ひ治安警察法違反被告事件発生し、数人の同主義者に投せられ遂に有罪の判決を受くるや…大に之を憤慨し、其報復を図るへきことを口にする者あり。…是に於て被告人共の中、深く無政府共産主義に心酔する者、国家の権力を破壊せんと欲せは、先つ元首を除くに若く無しと為し…畏多くも神聖侵すへからさる聖体に対し、前古未曽有の凶逆を逞せんと欲し、中道にして凶暴発覚したる顛末は左の如し…」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)