(s1081)

「史学に従事する者は其心至公平ならざるべからず」

『史学会雑誌』
「明治二十二年十二月十五日付
歴史は時世の有様を写し出すものにして、其有様に就き考案を加へ、事理を証明するこそ史学の要旨ならん。然るに歴史は名教を主とすと云ふ説ありて、筆を執る者、動もすれが其方に引付けて、事実を枉ぐる事あり。世教を重んずる点より云へば殊勝とも称すべきなれども、それが為め事実実理を枉ぐるに至るは、世の有様を写す歴史の本義に背けり。唯其実際を伝へて、自然世の勧懲ともなり、名教の資となる。是即所謂公平の見、公平の筆なり」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)