(s1096)

「高島炭坑の実状」

『日本人』
「坑夫の就業時間は十二時間にして三千の坑夫を大別して昼の方夜の方となし、昼の方は午前四時に坑内に下り、午後四時に納屋に帰り、夜の方は午後四時に坑内に下り翌日午前四時に納屋に帰る。其坑夫が十二時間執る処の労働苦役は、先ず第一に坑内一里二里の所に至り、背丈も伸びぬ炭層間を屈歩曲立し、鶴嘴、地雷、火棒等を以て一塊二塊と採炭し、之を竹□に盛り、重量十五、六貫乃至二十貫なるを這へるが如く忍が如く一町二町と担ひつつ蒸気軌道に運ぶなり。(中略)過度の労力に堪へずして休憩を請ひ、或は納屋頭、人操の意に逆ふ者ある時は、見懲と称、其坑夫を後手に縛し梁上に釣り揚げ、足と地と□尺するに於て打撃を加へ、他の衆坑夫をして之を観視せしむ」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)