(s1129)

「日露講和反対運動」

『東京朝日新聞』
「明治三十八年九月一日付投書
実にヒドイじゃないか。平和条件は始め聞いた時には真逆と思って馬鹿にして居たが、矢張り本当だ。詳しいことは分らぬが、今日まで知れた所では、何のことはない、馬関条約の焼直しに過ぎない。馬関条約には勿論、樺太の半分は入ってはいないが、其の代りに遼東半島の権利は今回より遥かに重大であった。面積も余程広かったし、且つ純然たる割譲で、今回の様に二十五ケ年の租借ではなかった。昨年以来コンナ大騒ぎをやって、二十億の金を遣ひ、十万の死傷を出した結果が、此通りだ。馬鹿々々しい。国民は吾当局に向って損害賠償を要求して可なりだ。弁済力がなければオコイでも差押へてやれ」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)