(s1151)
「普通選挙法提案理由」 |
『加藤高明(伊藤正徳)』 |
「恭しく按じまするに憲法御制定終極の御趣旨は広く国民をして大政に参与せしめられ、周く国民をして国家の進運を扶持せしめらるゝに在りと信じます。学制頒布以来実に五十余年を経ましたる今日に於きましては、国民の知見も大に進み、国民教育の普及並びに程度に至りては世界列強に比して別に遜色ありとも考へられないのであります。…地方自治の創始以来国民が政治的試練を経ること是亦五十年に近いのでありまして、政治的責任の自覚及びその普及に至りましても洵に徹底せるものありと認むるのであります。近時に至り、普通選挙制の欝然として輿論の大勢をなすに至りましたことは洵に偶然でないと言はねばなりません。政府は、この時代精神の趨向に鑑み、広く国民をして国家の義務を負担せしめ、周く国民をして政治上の責任に参加せしめ、以て国運発展の衝に贋らしむるが刻下最も急務なりと認めたのであります。斯る趣旨より致しまして普通選挙制を骨子とする衆議院選挙改正案を提出致した次第であります。…」 |
現代語訳や解説については下記を参考にしてください |
『詳説日本史史料集』(山川出版社) |
『精選日本史史料集』(第一学習社) |
『日本史重要史料集』(浜島書店) |
『詳解日本史史料集』(東京書籍) |