(s1195)

「関東大震災」

『後藤新平』
「今回の震災は其の区域一府四県に跨り、東京を始めとして横浜其の他湘南房総の地特に被害の劇しきものあり、家屋を焼尽し、父母骨肉を喪ひたる幾百万の災民は、残壁燬瓦の間に佇みて食ふに糧なく、着るに衣なく、焦髪爛身命旦夕に迫るもの比々皆然り。…但夫れ多数の罹災は概ね能く危急を冒し、艱苦に耐へ、沈着の態度を失はさりしも、此間多少の常規を逸したるものあるを免れす。此の如きは一時の誤解に外ならさりしを以て、今や其の跡を絶てり。…各自能く其の公徳心に訴へて私利を後にし、以て多数同胞と苦楽を共にするの覚悟あるを要す」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)