(s1197)

「五・一五事件」

『東京朝日新聞・昭和七年五月十六日号外』
「昨夜本誌号外を以て既報の如く初夏新緑時の好天に恵まれた十五日、日曜の帝都は薄暮に近く未曾有の不祥事件に直面した。十七名の現役陸海軍人等は組織的計画により、いずれもピストル、手りゅう弾の兇器を以て自動車に分乗・隊伍を分ち首相官邸、警視庁、日本銀行、三菱銀行等を何れもほぼ同時刻五時半前後に襲撃し、また別働隊は市内数ケ所の変電所をも襲い帝都の暗黒化を企てた。首相は頭部と顔面に二弾を撃たれ重体に陥り遂に逝去するに至った。兇行犯人等は予て申合せたるものの如く何れも憲兵隊本部に自首してでたが、憲兵隊では外部との出入を拒み取調中である」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)