(s1237)

「対日経済封鎖とその衝撃」

『杉山メモ』
「昭和十五年九月六日付
茲に於きまして帝国の国力の物的弾力性は、一に帝国自体の生産力と皇軍の威力下にありまする満州、支那、仏印、泰の生産力に依るの外、予ねて蓄積せる重要物質に存することとなったのであります。
従ひまして、今日の如き英米の全面的経済断交状態に於きましては、帝国の国力は日一日と其の弾撥力を弱化してくることとなるのであります。
最も重要なる関係に在ります液体燃料に就きましては、民需方面にありまして極度の戦時規制を致しましても、明年六、七月頃には貯蔵が皆無となる様な情況であります。夫れでありますから、左右を決しまして確乎たる経済的基礎を確立安定致すことが、帝国の自存上絶対に必要と存ずるのであります」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)