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「アメリカ政府のSCAPに宛てた初期の対日占領政策」

『資料戦後二十年史』
「1945年8月29日付 
   第一部 究極の目的
 日本国に関する米国の究極の目的にして初期に於ける政策が従ふべきもの左の如し
(イ)日本国が再び米国の脅威となり又は世界の平和及安全の脅威とならざる ことを確実にすること
(ロ)他国家の権利を尊重し国際連合憲章の理想と原則に示されたる米国の目 的を支持すべき民主的且責任ある政府を究極に於て樹立すること、米国は 斯る政府が出来得る限り民主主義的自治の原則に合致することを希望する も自由に表示せられたる国民の意思に支持せられざる如何なる政治形態を も日本国に強要することは連合国の責任に非ず。
 此等の目的は左の主要手段に依り達成せらるべし
(イ)日本国の主権は本州、北海道、九州、四国並に『カイロ』宣言及米国が 既に参加し又は将来三かすることあるべき他の協定に依り決定せらるべき 周辺の諸小島に限らるべし
(ロ)日本国は完全に武装解除せられ且非軍事化せらるべし、軍国主義者の権 力と軍国主義の影響力は日本国の政治生活、経済生活及社会生活より一掃 せらるべし、軍国主義及侵略の精神を表示する制度は強力に抑圧せらるべ し
(ハ)日本国国民は個人の自由に対する欲求並に基本的人権特に信教、集会、 言論及出版の自由の尊重を増大する様奨励せらるべく且民主主義的及代議 的組織の形勢を奨励せらるべし
(ニ)日本国国民は其の平時の需要を充し得るが如き経済を自力に依り発達せ しむべき機会を与へらるべし」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)