(s1284)

「日本社会党の組織活動方針」

『資料戦後二十年史』
「一、党づくりの基本原則
(前略)
 この新しい党づくりの基本原則は、次の三つである。
 (一)党の階級性堅持と党内民主主義の確立
 統一綱領と新規約前文にある通、わが党は『労働階級を中核とした』広汎な勤労大衆の階級的政党である。
 それは二つの意味をもつ。一つには、全党員は、その出身階級の如何を問わす、平等の権利と義務をもち大衆討議が尊重され、党内民主主義が上から下まで貫かれ、徹底されなければならない。このためにはとくに若い献身的な党員の力を発揮させることが重要である。
 二つにはわが党は勤労大衆の利益を直接に代表した階級的大衆政党である点において、資本家階級の支配のために道具である保守党、旧秩序に安住する小市民的中間政党とは本質的に性格を異にしている。党組織はしたがって、広汎な国民階層を組織すると共に階級性を堅持しなければならない。いいかえれば、統一された意思をもつ強固な組織と、党員の自発的にして厳格な党内規律がなければならない。それはわが党が幅の広い大衆政党としてとくに必要なことである。
 (二)議会偏重主義の排除と日常闘争の展開、特に大衆のなかにおける党組織活動綱領に示された通り、党は国会を通じて民主的、平和的に革命を遂行するが、同時に単なる議会主義の党ではない。わが党は革命を行う階級的大衆政党である。革命にあたっては、資本家階級は議会のみならず他の一切の権力機構を掌握しているから、彼らの一切の力を動員して、妨害してくる怖れがある。これに対処するには勤労大衆の一切の組織が党と有機的に結びつき、自らの意思と行動によって強力に党を支持するように組織的発展がなければならず、そのためには、広汎な大衆の組織力と影響力が確固としていなくてはならない。それは暴力革命方式を排除し、これを理論的にも実践的にも克服するために必要である。
 広汎な国民大衆を党の組織力、影響力にしっかりと結びつけるためには、われわれはこの際、議会偏重主義、選挙第一主義の弊におちいらないように党を運営し、全党員、全組織が、不断の日常闘争、全国、地方オルグ組織、および広範囲の団体的な教育宣伝活動を通じて、常に大衆の中に入り、大衆の中で党づくりを行なっていくという新党風を確立することがなによりも重要である」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)