(s1292)

「核実験に対する社会党の声明」

『資料戦後二十年史』
「昭和三十九年十月十六日付
 一 われわれは、かねてから中国が核実験を行わないことを望んでいたが、 今回の核実験には深い失望を感ぜざるをえない。このことは、とくに唯一 の被爆国民としてあらゆる国の核実験に反対し、熱核戦争と死の灰を一掃 したいという日本国民の熱望をふみにじるものであり、厳重に抗議すると ともに、再びくりかえさないことを強く要望する。
 一 こうして中国の行動は、中国自身の主観的意図に反して、力の政策をと る諸国の核戦争政策をいっそう強め、世界の核兵器競争の悪循環を促進し、 ついには、世界を破滅の道におとしいれることになることを中国が深く理 解することを望む。
 一 われわれは、中国の核実験を口実にして日本自体の核武装化がすすめら れることに絶対に反対するものであり、原潜寄港阻止をはじめ、沖縄の基 地撤廃など日本の核武装阻止の闘いをいっそう強めるものである。
 一 われわれは、このさい、アジア太平洋地域の非核武装地帯の設置の方針 を推進するとともに、世界の全面的な核兵器の禁止、完全軍縮を達成する ため、中国のすみやかな国連加盟実現を期す」



史料
現代語訳や解説については下記を参考にしてください
『詳説日本史史料集』(山川出版社)
『精選日本史史料集』(第一学習社)
『日本史重要史料集』(浜島書店)
『詳解日本史史料集』(東京書籍)