体験 的パ ソコ ン論

ワープロとの出会い
デジタルデータは「永遠に不滅」

フロッピー数百枚に保存
フロッピーの差し替えに膨大な時間

【004】東芝ルポとの出会い
「キーボード上でローマ字入力すると漢字に変換」の不思議
(1)その時代
 それは1986のことであった。
 初めてコンピュータ(ワープロ)を購入した。その頃ワープロを持っている人は職場でも少数で、購入するにあたっては、色々な人や業者に聞きまくった。学校出入りのある業者はR社の製品を盛んにすすめたが、結局は多くの先生が推薦した東芝のルポを購入した。
 その経緯をある友人に話すと、「業者はマージンのよい製品からすすめるものだ」という話だった。業者のいいなりの商品を買うのはあまり利口ではないということだ。購入するにはある程度の自分の主体的な意見を持っていなければならないと肝に命じた。
(2)魅力
 
ともかく保存が出来るようになったことだ。フロッピー1枚2DDの容量は640KBである。1KBは1024バイト(1文字=2バイト)だから、数字の上では3万2000字の保存が可能である。教科書1ぺ一ジが大体900字だから約36ぺ一ジが保存できる計算になる。一度保存して、再び呼び出すと、入力した内容が画面に表示された。
 膨大な「忠臣蔵」の史料カードを時間さえあればワープロに打ち直し、「ワープロ入力の間に食事をしている。」とひやかされたものです。
 フロッピー1枚が数千円する時代です。100枚以上も購入したが、この時のデータが今も現役で、「文字データベース」は不思議な威力を発揮している。
 表示も5行に増え、単語登録も20が出来るようになった。
(3)課題
 表示が5行になったとはいえ不十分である。カーソルで上に行ったり下に行ったり、スクロールに時間がかかった。
 単語20がともかく登録できるようになった。しかし、その節が終わると登録した単語を削除して新しい単語を登録することの繰り返しである。
 保存したフロッピーの量が膨大(100枚以上)になると、目的のデータを検索するのにフロッピーを出し入れする必要があり、手間と時間がかかり過ぎた。 

(4)パソコン余話
  ただこのような機能が備わると、コンピュータの歴史は止められない。私(年齢は生徒には営業上の秘密であると明かしていないが、この時44歳の社会科の教師。運動部の指導にも熱中)がワープロを購入した事で、若い先生(特に英語の先生)を中心にワープロの購入が始まった。
 しかし、最後まで抵抗したのは国語の先生である。その理由は、おおげさに言えば「日本文化消滅論」(直筆文字の個性ある美しさが死ぬ)や「活字擁護論」(ドット=点を集合させて作られているワープロ文字は活字には勝てない。この先生は電動タイプライターの愛用者で、活字を拾っていた)である。 
 ワープロの強みは保存して修正する機能を有していることであり、文字の美しさを競うものではない。またドット数をどっと増やせば活字に近くなる。そう言い張っていた先生も今はワープロの愛好者であることはいうまでもない。
 デジタル派とアナログ派のこのような戦いも、今ではほろ苦い想い出となっているが、これ以降パソコン派対ワープロ派、情報処理派対データベース派、デジタルビデオ派対デジカメ派、Html派対ワード派、動画派対静止画派と私の戦いは続くが、それらの前哨戦ともなった記念すべき記録である。
 
(5)追記
 記念すべき東芝ルポの写真を保管していたが、先日の大掃除のとき行方となる。どなたか1986年代のルポの写真、1985年のナショナルのパナワードの写真をお持ちでないでしょうか
東芝ルポの写真ついに入手。ナショナルの名前はパナワードなかったかも。ご存知の方連絡をお願いします!