体験 的パ ソコ ン論
初めてのパソコン体験(2)
・多忙なほど情報処理化が必要
・この時代の課題

【006】NEC9801LX
(1)その時代(1989年以降)


前回のおさらい
(2)パソコンでワープロは出来ますが、ワー  プロでパソコンが出来ません

3)日本史の固有名詞すべてを単語登録
 当然忠臣蔵の人名や歴史用語も第三水 準以外はすべて単語登録

(4)データベース化と惰報処理化

(6)dBASEを使った情報処理化

 史料のデータは古代・中世で578編、近世で527編、近代・現代で528編の計1633編あり、各々にコード番号を付しておく(@)。


 必要なコード番号を入力すれば、画面に表示させたり(A)、印刷したり、ドッキングして一太郎(ワープロソフト)に転送できる。一大郎に転送すれば、膨大なデータの中から寸時に必要なデータを抽出して加工ができる。


 センターテスト用の小テスト問題が古代・中世1183問、近世1325問、近代・現代1565問の計4073問あり、コード番号を任意に入力すれば、ありとあらゆる変化に富んだ小テスト問題が作成できる(B)。

 一度入力したデータを有効に利用することを情報処理という。多忙であればあるほど威力を発揮する。

@史料にコード番号(左の列)を入力
Aコード番号を入力すると、史料が表示される

(7)課題

 持ち運びが可能とはいえ、重い重い。

 ハードディスクがなく、フロッピー上で作業をするために、処理速度がハードディスクに比べて遅い遅い。dBASEは2万レコードでも軽々と処理が出来るのに、フロッピーでは
5000レコードが処理の限界である。

 データベース化はワープロが出来る人なら誰でも出来る。しかし情報処理化出来る人は少数しかいないので、どうしても一部の人に仕事が集中する。

 パソコン関係の予算は膨大で、個人情報など重要な問題が山積している。しかし、パソコンの仕事は学校では本務に位置付けられていないので、本務以外の時間を割いてすることになる。現在は委員会組織(兼務)になっているが、まだ部(専業)になっていない。情報処理化を正しく理解している管理職が少ないのが原因である。
 学校で出来ないときは家に持って帰る。妻からは「私はコンピュータウィドーね」とひやかされる。まったくのボランティアである。そのためパソコンに手を出さないという先生もいる。人材的にも大きな損失である。

B日本史小テスト問題
C進路指導の全ての処理をするトップ画面

(8)パソコン余話
 ワープロからパソコンに乗り換えた理由は前述したが、社会科の若い先生と出会わなかったら、私のパソコン論も変わったものになっていただろう。
 もう一人忘れられない理科の先生がいる。Basicとマルチプランが全盛時代に、「今後はdBASEとロータスが主流になる」と予言された事である。その先生はBasicの副読本を出版されている実力者である。その後その予言が的中することは周知の事実である。
 私も先生の言葉を信じてdBASEとロータスに挑戦した。アクセスとエクセルが主流になる2000年まで、社会科の老齢教師があちこちのパソコン研修の講師を務めることが出来たのも、この先生のお陰である。


このパソコン論は『研究紀要第44号』(兵庫県社会科研究会、1997年発行)と『兵
庫教育』(兵庫県教育委員会、2000年発行)などを基に展開します。