忠臣蔵名場面
吉良邸討入り(赤穂義士誠忠畫鑑)
 浅野内匠家来口上を見ると、大石内蔵助らの討ち入り理由がよく分ります。
 井沢元彦氏は、「本当は浅野内匠頭が乱心だったのを、宿意(積み重なった恨み)にしてしまったことを怒って、討ち入りした」と暴論を展開しています(『文治政治と忠臣蔵の謎』)。
 しかし、口上を読むと、「主君浅野内匠頭は、梶川与惣兵衛が組みとめたので、吉良上野介を討ち取ることが出来なかった。主君の恨みを晴らしたいだけです」とあります。
 つまり、乱心と言えば、お家は安泰の時代に、身を捨て、家を潰してでも、宿意を果たそうとした意志を継いだのです。