宇宙船地球号という考え

CO2排出量削減というゴールは同じでも、破線の道筋は今の世代
にとってまことに都合がいい。君たちも若い間は受益者だ。しかし、
君たちが働き盛りになる2020年ごろから、一気に大幅削減が始ま
る。もっと大変なのは、まだ生まれていない世代だ。君たちまでの
世代が過剰に排出した分(Aの部分)を、後の世代が余計に減らさ
なければならなくなる(Bの部分)。
生まれていない世代は声をあげたくても、その機会はない。沈黙を
いいことに、現在世代に都合のいい選択を押し付けていいだろうか。
地球環境を本気で守ろうとすれば、苦痛は避けられない。経済と社
会の仕組みを変え、国の主権を制限することも必要になる。それを
承知のうえで、つらい道を選ぶか。まさか「地球にやさしくなんかでき
ない」と開き直ることは出来まい。
世界銀行によると毎月4万人が栄養不足のため死ん
でいるという。
このまま南の人口爆発が続けば、そして北の食糧生
産過剰と飽食、南の生産か少と飢餓という構造が続
けば、マサスノ警告どおりになるかもしれない。そん
な中96年世界食糧サミットが開かれ、2015年までに
8億人の栄養不足人口を半減することを宣言したが
……。