忠臣蔵名場面
吉良邸討入り
 討ち入りの朝、大石内蔵助は、南部坂に閉居する亡き主君浅野内匠頭の妻揺瑤泉院のもとへ、決行の口上書を持参します。ところが、吉良方の間者の潜入に気づいた内蔵助は「西国のさる大名に仕官がかない、あだ討ちはあきらめた」ととっさのうそでその場を繕い、忘恩をとがめる瑤泉院のののしりに耐えながら、永遠のいとまを告げて立ち去ります。 南部坂を遠ざかる内蔵助の無言の背中が、降り積もる雪のかなたに消え入ります。
 瑤泉院は、後に、内蔵助の本人に気が付き、手を合わせて、謝ります。
南部坂雪の別れ