トリカブト栽培記録
Since 2000/03/15
Last updated on 2010/04/27
概要 このページは、私が自宅に植えているトリカブトの栽培記録です。トリカブトというと毒性ばかりが取り沙汰されますが、リューマチ薬や育毛剤の原料として大規模栽培している薬品会社もあります。また形がオンドリの鶏冠(鳥兜)に似た青紫色の花は、キキョウやリンドウを上回る華麗さがあり、鑑賞(園芸)植物としても一流だと思います。 私のトリカブトの栽培は、1998年ごろに知人から鉢植えを貰ったのが始まりです。その知人は、「園芸店で買った」と言っていました。原産地も品種も分からないものでしたが、園芸店で売られていたぐらいですから、法律に触れることはないだろうと考え、栽培を続けました。その品種は一時40株以上に増えましたが、2002年夏に暑さ対策を誤り、全滅させてしまいました。 その後2004年春に、行きつけのホームセンターでモンゴル産のトリカブト苗を1本だけ買いました。現在はそれを栽培しています。 関連ページ → トリカブト(花便り) |
栽培記録(2000年) (画像はクリックすると大きくなります。)
10月末頃から咲き始めた。花の数は昨年より少ない。(2000/11/03) |
栽培記録(2001年) ■ 植え付け(2001/02/19) 急に暖かくなり、塊根から芽が出始めたので、あわてて植え付けた。昨年13個だった塊根が今年は43個に増えた。今年からプランターを使用。土は腐葉土と畑土を等量混合。写真は植え付け直前の塊根。 ■ 青虫に食われた(2001/05/28) ふと気が付くと、葉がかなり虫に食われていた。糞もあるので、どこかに犯人が居るはずだと、葉を1枚1枚調べてやっと、葉裏にへばりついている次の写真のような青虫を4匹見つけた。名前は分からない。周囲にカエデやツタなどがあるが、それらは食われていない。トリカブトは葉にも毒があるのに、それを好んで食べる虫もあるのか。 ■ 花が咲いたのは4株だけ(2001/10/25) 8月に入ると地上部が次々と枯れはじめ、9月に入っても枯れる株が出た。ツボミをつけた状態で枯れた株もある。暑さ以外にも何か原因があるのかもしれない。結局無事に花が咲いたのは4株だけ。10月中旬から咲き始めた。花の色が去年よりうすい。地上部が枯れた株からは新芽が出ている。塊根は生きているのだろう。 |
栽培記録(2002年) ■ 植え付け(2002/02/07) 今年の塊根は全部で44個。去年からほとんど増えていない。夏場に大半が枯れたことが影響している。そのうち大きめの10個を30cmの素焼き鉢(2鉢)に、14個をプランターに、残りの20個を9cmのポリ鉢に植え付けた。ポリ鉢の分は4月に畑に露地植えの予定。次の写真は植え付け前の塊根(2002/02/07撮影)。 ■ 猛暑で全滅 露地、プランター、鉢のいずれも、7月中旬までは順調に育っていたが、8月上旬ころから枯れ始め、8月末には全滅した。掘り返してみると、塊根も全て腐っていた。7月上旬、露地植えの畑にはあらかじめ日覆いを設け、鉢とプランターは直射日光の当たらない木陰に移すなど、暑さ対策をしたつもりだったが、甘かった。今夏は猛暑(32℃以上)の期間が例年以上に長かった。そのことが、全滅の主要原因だったと考えている。 ■ 結論 当地(兵庫県相生市)で安定してトリカブトを栽培するためには、夏の暑さ対策が不可欠である。30℃を越える日が続く季節に入ると要注意。下葉が枯れ始めると危険信号で、冷房の利いた室内に移すべきだと思う。 |
栽培記録(2004年) ■ 再挑戦(2004/03/16) きのう、春蒔き野菜のタネを買いに龍野市のアグロへ立ち寄ったら、トリカブトの苗を売っていた。294円と安いので1本買った。モンゴル産とのこと。 持ち帰ってさっそく6号の素焼き鉢に植え付けた(写真参照)。夏場は冷房した屋内へ移すつもり。 ■ 暑さ対策(2004/07/07) 最高気温30度を超える日が続き始めたので、暑さ対策として、7月7日にトリカブトの鉢を実家西側の崖の下に移した。この場所は山裾が削り取られて出来た高さ3〜4mの崖の下の半地下のような場所。山からの水で周辺はいつも湿っており、直射日光は前の建物に遮られて1日中入らない。アルコール温度計で実測したところ、これまで置いていたカエデの木陰(自宅)より3〜5度低そう。 移動直前の外観は下の写真の通りで、6号鉢が窮屈に感じられるほどに育っている。高さは99cm。暑さの影響は未だ見られない。 ■ ツボミふくらむ(2004/09/22) 今夏は、真夏日が90日もあるという記録的な暑さだったが、暑さ対策(置き場の変更)が奏功し、順調に生育している。鉢の地表付近に挿した温度計が28度を越えたことは一度もなかった。 めっきり涼しくなったので、暑さ対策は本日(9月22日)で終了し、鉢を玄関脇へ移した。現在の高さは約1.2m。頂上だけでなく、葉脇にもツボミがたくさん出来ている。頂上付近のツボミはだいぶふくらんでいる。 ■ 咲き始める(2004/10/12) 10月初め、てっぺんの花序が咲き始めた。10月12日現在、てっぺんの花序だけ満開で、他の花序は「ツボミふくらむ」程度。 |
栽培記録(2005年) ■ 3株生育中 昨年の株から3個の塊根が得られた。塊根の大きさに合わせて、7号、6号、5号の素焼鉢に1個づつ植え付けた(2005/3/初旬)。 順調生育中で、5月15日現在、大きいものは高さ35cm、小さいものは10cm。 ■ 暑さ対策(2005/06/20) 梅雨入りして10日を過ぎたが雨はほとんど降らず、最高気温が30度を超える日が出始めた。6号と7号鉢の株で下葉3〜4枚が黄ばんできたので、昨年より早く6月20日に避暑対策実施。昨年と同じ実家西側の崖の下へ移した。
■ 暑さ対策終了(2005/09/29) 本日、避暑地から自宅へ戻した。3鉢とも特に異常はないが、花芽は昨年の同時季より小さい。開花が少し(2週間ぐらい?)遅れそう。
■ 3株とも開花(2005/11/04) 10月末ごろから開花が始まった。昨年に比べると約半月遅れ。6号鉢の株が最初に咲き始め花芽も多い。次の写真は2005年11月3日現在。 |
栽培記録(2006年) ■ 植え付け(2006/02/18) 昨年の3株から写真のような塊根が計9個の得られた。そのうち5個を素焼鉢に、残りの4個を露地に植えた。素焼鉢分の内訳は最も大きい塊根1個を7号鉢に、他の小さな4個を6号鉢に。露地植えの場所は昨年避暑に使った崖の近くの石垣の下。 ■ 開花 露地植え分と7号鉢の大きな塊根は順調に育ったが、4号鉢の小さな4本が枯れた。原因は夏場の過湿と推測。育った分は10月中旬から開花。 |
栽培記録(2007年) ■ 植え付け 大小合わせて10個の塊根を、すべて露地植えにした。場所は昨年と同じ、実家西側の崖の下。
■ 開花 咲き始めたのは10月25日ごろで、昨年より10日ほど遅い。撮影は10月30日。9〜10月の気温が記録的に高かったことが影響しているものと推測。立ち枯れが2本あり、そのうちの1本はツボミをつけた状態。無事開花したものも、葉が枯れたり黄変している。 写真左側の3本の状態が特に悪いことから、気温以外に、植え付け場所の過湿の影響も考えられる。この場所は山すそにあり、山からの出水で画面左側ほどジメジメしている。 花色は昨年に比して青が濃い。 |
栽培記録(2008年) ■ 植え付け(2008/02/28) 昨年の株から塊根を掘り出す際、塊根が植え付け時よりも5〜10a深い位置にあることに気付いた。植えた場所が窪地だったため、周辺の土壌が雨で集まって上に堆積したようだ。昨秋、つぼみをつけた状態で立ち枯れしたのは、これ(土の堆積)が原因だったのかも知れない。 今年は小さいもの含めて計14個の塊根(写真)が得られた。それらをすべて昨年と同じ場所(実家西側の崖下の露地)に直植えした。土砂の自然堆積を防ぐため、腐葉土+畑土であらかじめ地上げをした。比較的大きな塊根が多いので、秋には賑やかに咲いてくれるものと期待。 ■ 開花 南端に植えた3本が枯れた。残りの11本は10月20日ごろから咲き始めた。枯れたのは元々大きい塊根で、8月までは順調に育って草丈も一段高かった。昨年、一昨年も同じ位置に植え付けた分だけが枯れているので、暑さだけでなく、何か場所的な要因があるような気がする。写真撮影は10月25日。 |
栽培記録(2009年) ■ 植え付け(2009/03/10) 昨年末に掘り上げて植木鉢に仮植えしていた塊根すべて(16個)を、自分の私有地の山林(相生市内)に露地植えした。これまでの経験をもとに適地を選んだつもりだが、無事に育つかどうか…。 ■ 生育状態(2009/05/01) 本日生育状態を見にいったところ、16本揃って育っていた。木陰で日照が足りないせいか、ヒョロ高い感じ。 ■ 開花(2009/10/27) ヒョロ長い茎が地面に横たわった状態で咲いていた。ほぼ満開。青色が薄くやや白っぽい。花が付いた茎は10本。夏場の温度上昇や乾燥を心配して日ざしを確保しなかったのが裏目に出た感じ。もうすこし陽に当て方が良かったようだ。 花は全部切り取って「シカが食べるかどうか」の実験に使用。その詳細はこちらを参照。 |
栽培記録(2010年) ■ 生育状態(2010/04/13) 自生環境を想定し、昨年露地植えにしたままの状態で手を加えず放置。ただし周辺の立木を少し切って、日ざしが以前より当たるようにした。揃って芽を出し、順調に成長しているので、昨夏は高温や乾燥を無事に乗り切れたようだ。 |