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孫に伝える小説忠臣蔵

小説忠臣蔵を掲載するにあたって
夏目漱石が古典扱い?
史料中心の忠臣蔵新聞は入門書にならない?
 最近、高校生など若い人と忠臣蔵を語ることが多くなりました。
 しかし、「全国高校国語科指導研究会」の報告によると、森鴎外の作品が現代国語の教科書から全て消えました。夏目漱石の作品は、国語1で1社が「寒山拾得」、国語総合で2社が「夢十夜」を採用しています。古典として楽しむ名言集として、夏目漱石の「黙々として牛の如くせよ」を紹介しています。
 封建時代という言葉を知っていても、相手に正しく表現できる若い人は少ない。
 私のHP版「忠臣蔵新聞」は、難解な史料を新聞記事風に分かりやすく工夫しています。
 ヤフーの検索エンジンでは「忠臣蔵」と入力すると563万件の内5番目に位置しています。 グーグルの検索エンジンでは「忠臣蔵」と入力すると335万件の内4番目にあります。
 しかし、100年ほど前の夏目漱石が古典扱いの時代に、300年前の史料(素材)を中心として「忠臣蔵新聞」は、忠臣蔵の入門編には遠い存在かもしれない。

天声人語は「忠臣蔵は源氏に負けずに国宝的」
吉良邸討ち入りは集団テロ?
その落差を埋めるもの
 朝日新聞の天声人語(2008年12月14日付)は、「今年で千年の『源氏物語』が国宝的物語なら、『忠臣蔵』はさしずめ国民的物語といったところだろう」「多くの日本人が折にふれてそれぞれの忠臣蔵を思う。元禄師走の出来事も、源氏に負けずに国宝的である」と紹介しています。
 神戸新聞の正平調(2009年12月10日付)は、「討ち入りから300余年を経ても、江戸っ子は忠臣蔵が大好きと見える」と書いています。
 他方、私への質問には、「吉良邸討ち入りは集団テロではないか」「軍国主義教育の象徴ではないか」などが寄せられています。

中学生・高校生の孫にも理解できる忠臣蔵は?
小説形式の忠臣蔵ではどうだろう?
 史料を使った史実中心の「忠臣蔵新聞」と、史料を念頭におきながら、より分かりやすく、より面白い「小説忠臣蔵」を掲載します。
 私には、小学1年生の内孫・外孫、幼稚園の内孫・外孫がいます。いずれ、孫たちが中学生か高校生になった時、「小説忠臣蔵」を読んで、大石内蔵助らの残したメッセージを読解し、自分の言葉で表現して、さらなる世代に、継承して欲しいと思っています。
 今、現役の中学生や高校生にも読んで欲しいと願っています。それがきっかけで、お父さんやお母さん、お爺さんやお婆さんとも、忠臣蔵の話題で花が咲けば嬉しいです。
 「小説忠臣蔵」がその役割を果たすと信じています。

勉強するとは?
メッセージのキャッチボール
そのためには、読解力と表現力と選択力
 膨大な忠臣蔵の史資料があります。それをどう読解し、どう表現するかが勉強です。そういう意味では、「勉強とは、棺桶に足を入れるまでは続くものである」と定義できます。
 「選択力も必要では?」と助言も受けました。その通りですね。読解力・表現力も自分の選択力で活かされ、自己が確立するのですから。
 まさに、読解力・表現力・選択力が生きていく上で重要な個性といえます。
 個性豊かな「小説忠臣蔵」を、若い世代に提供することは、中高生と同じ世代の15歳で討ち入りし、切腹して一生を終えた大石主税らのメッセージに応えることだと思っています。
 大石内蔵助や堀部安兵衛らに代表される忠臣蔵の素材をそままは孫たちに伝えることが、私に与えられた役割だと感じています。
(2010年2月14日記)