パソコン何でもQ&A

024 ペーパーレス化とエクセル・HPB(ホームページビルダー)
【1】 パソコンの原点は「情報を共有化できない企業はつぶれますよ」
 在職中も今も、色々な人と交流を持っています。
 企業の第一線で活躍している人の共通点は「情報を共有化できない企業はつぶれますよ」でした。
 私も在職中から、教材の共有化を主張し、実践し、県立研修所や各学校の講師として、説いてきました。
 パソコンは、日常業務にも威力を発揮します。しかし、今の作業が、明日の蓄積となり、情報(教材など)とな
り、それを共有化して、パソコンも人も活かされます。
 最近、朝日新聞の特集を読みました。見事、机上にはパソコン以外の何物もありませんでした。20年前の
姫路のトップ企業の見た光景が再現されていました。朝日新聞の特集記事です。←ここをクリック
【2】 エクセルは、ワープロソフトではなく、表計算ソフトです
 最近、エクセルで文書の回答を求められることがありました。聞くところによると、日常業務でも多様している
所もあるようです。
 以前、文化庁の農村舞台の調査がありました。かなり詳細なレイアウトであったので、担当者はエクセルで表
の作成をしていました。ところが、文字を入力すると、色々なところでトラブルがおきました。それも当然です。
エクセルは表計算ソフトであり、文字入力を専門にするワープロソフトではないのです。
 早速、担当者にメールをしました。「エクセルで作成した表のまま印刷するのか、再度打ち直して、印刷する
のか」と。打ち直して印刷するということなので、レイアウトだけ変更せず、ホームページソフトで作成して、写
真・動画をリンクして、CD化して提出しました。詳細なレイアウトの報告書がこれです。←ここをクリック
 表計算ソフトを発明したのは、ダニエル=ブルックリンというアメリカ人です。
 これは有名な話なので、ご存知の方も多いと思いますが、おさらいしました。1977年、ダニエル=ブルックリ
ン(26歳)はハーバードのビジネス・スクールに入学しました。ある授業でのことです。教授が与える数値が変
わるたびに、最初から再計算しなければならず、その不合理に何とかしたいという気持ちが高まりました。そこ
で、ある表の1つのマス目(cell=セル)の中に数値を入れると、自動的に、全体的に計算することを思いつき
ました。これを表計算といいます。
 1979年、ダニエル=ブルックリン(28歳)は、大学時代の友人と会社を設立して、表計算ソフトをビジカル
ク(VisiCalc)と名付けて発表しましたが、当初はあまり反響はなかったそうです。しかし、著名なベンジャミン=
ローゼンが表計算の優秀性を紹介すると、アップルやIBMに登載されるようになりました。
 その後、ベンジャミン=ローゼンが設立したLotus社は、新しい表計算ソフト「ロータス123」を発売し、市場
トップにのし上がり、1985年、Lotus社はビジカルク(VisiCalc)を買収しました。
 私の体験から表計算ソフトの変遷を見ると、私が最初のパソコンを買ったのは1989年です。この時は、マイ
クロソフト社のマルチプランが全盛でしたが、一部の先見の明がある人が、これからは「ロータス123」の時代
が来るといって取り組んでいましたので、私も「ロータス123」を始めました。
 1995年、「ウィンドウーズ95」がマイクロソフト社から発売されると、やがて、マイクロソフト社は「ウィンドウー
ズ95」で動く各種のソフトを発売しました。ワープロソフトのワード、表計算ソフトのエクセル、データーベース
ソフトのアクセスなどです。
 その結果、ワープロソフトである「一太郎」の凋落、表計算ソフトである「ロータス」の消滅、データーベース
ソフトの「データーベースプラスV」の消滅ということになります。
 パソコンがあっても、OS(ウィンドウーズなど)があっても、パソコンで作業はできません。そこで登場したのが
パソコンで動くソフトです。
【3】 エクセルデータとワード文書とカットの融合は、ホームページビルダーで!
 以前、ワードに堪能で、しかも、エクセルのマクロ(関数など)を自由自在に使える人がいました。しかし、それ
を印刷にするときには、ワードの文書を切り貼りし、そこにエクセルで計算した表を切り貼りし、可愛いカットを
切り貼りしていました。技術的には最高に達していましたが、ペーパーレス化という発想がありません。
 そのため、毎月毎月、同じ、無駄で、非経済的な作業を続けていたのです。
 相談を受けた私は、ホームページに取り込むことを提案しました。
【1】エクセルデータをホームページ化します。
(1)エクセルでエクセルデータ(01)を表示します。コピー(02)します→必要な部分をドラッグ→ドラッグした部
分を「右クリック」→「形式を選択して貼り付け」→「値」をオン→「OK」
(2)「ファイル」→「名前を付けて保存」→ファイルの種類を「テキスト(タブ区切り)」→「保存」
(3)ホームページビルダーを起動→「新規作成」でページの作成(yugo01)→「ファイル」→「ファイルの挿入」
→ファイルの種類は「テキスト」→ファイルを選択(02)→「タブ区切りデータを表に変換」→「OK」
【2】ワードデータをホームページ化します。
(1)ワードでワードデータ(03)を表示します。
(2)「ファイル」→「Webページとして保存」→「保存」(04)
(3)ホームページビルダーを起動→ページの表示(yugo01)→「ファイル」→「ファイルの挿入」→ファイルの種
類は「HTMLファイル」→ファイルを選択(04)→「HTML文書の挿入(関連ファイル含む)」→「OK」
【3】ホームページビルダー上のページ(yugo01)にカットやまとめの文書を追加します。
これがエクセルデータとワード文書とカットの融合の作品です←ここをクリックして下さい。
【4】 ホームページビルダーにこだわる理由?
 「ワード画面にエクセルデータを取り込むことが可能な時代に、こんなに大変な事をしてまで、ホームページ
にこだわるのか」とお考えになるかもしれません。
 それには色々な理由があります。
(1)ホームページビルダーのHTML言語でプログラムを書き込みます。HTML言語は、軽いので、世界共通
言語になっています。
(2)ホームページビルダーで作ったデータは、ワープロソフトや表計算ソフトとは違い、最も高度なデーター
ベースソフトで作られたデータです。リンクを張ることで、情報を共有できます。
(3)ホームページビルダーで作ったデータは、軽くて、世界共通で、リンクにより情報を共有できるので、その
ままインターネット上にアップできます。
 つまり、ホームページビルダーで作ったデータは、個人として情報をパソコンに蓄積し、会社内・学校内で
はランによって共有し、インターネット上にアップして、世界に情報を発信できるのです。
【5】 先駆者の先駆者たる理由
 私のパソコン歴にを振り返ると、優れた先駆者との出会いがあります。
 マルチプランやベーシックが全盛の時、「これからはロータスとデータベースプラスVの時代だ」とマルチプ
ランやベーシックに精通している人がアドバイスしてくれました。その予言どおりとなりました。私は、50歳の頃
に高度なデータベースプラスVを四苦八苦しながらマスターしました。そのお陰で、どの学校に転勤しても重
宝がられました。
 逆に、ワープロの一太郎(ジャストシステム社の)時代に、オアシス(富士通社)を導入し、行進し続けたため
に、オアシスをマスターした人が、転勤して苦労した話を聞きました。
 表計算を日常業務にしている人は、その延長でエクセルで文書を書くことは、合理的です。
 しかし、表計算をしないエクセルは、文書としては最悪です。個人として利用するのは、趣味として、理解でき
ます。ところが、職場や部下にエクセルを強要する場合があると聞きます。転勤すると苦労するでしょう。
【6】 IT関連は高価な買い物、重要なトップの決断
 電気製品なら大体10年以上の耐用年数があります。しかし、パソコンは5年、早い人は3年で買い換えます。
ソフトも毎年のように金儲け的にバージョンアップされます。
 プリンタなどの周辺機器も必要だし、インターネットではプロバイダ料やウィルス対策費も必要です。
 それだけに、先駆者の先見の明が必要です。
 私が住んでいるある市では、個人よりも早く、近隣の市町より先に、光ファイバーを導入しました。今は市長
ですが、当時は教育長でした。研修所の所長だったとき、私は講師として招かれました。所長はパソコン関係
には全くの素人でした。
 パソコンには素人でも、先見の明がある指導者だったことが分かります。
 今回取り上げた内容を見て、素人でも先見の明がある人もいれば、ベテランなるが故に、自分の趣味を押し
付ける人がいることが分かりました。
 技術は進歩している部分と、基本は同じ部分があります。IT関連は高価(こうか)ですが、将来性のある、正
しい使い方をすれば、事務は軽減され、情報は共有化されて、値段以上に効果(こうか)があります。