パソコン何でもQ&A

043 芦屋市が会議資料を電子化、年間83万円の経費節減(いわゆるペーパーレス化)
【1】 「情報(教材)を共有化出来ない企業はつぶれる」?(この背景色はlawngreen、文字色はblackです)
 芦屋市が会議資料を電子化すると、新聞に載っていました。
 兵庫県・西宮市についで、3例目というから驚きです。
 私は、今から約20年前の1989(平成元)年、東芝とIBMが50%づつ出資した企業訪問をして、
そこの責任者から「情報を共有化できない企業はつぶれる」という話を聞きました。「情報を共有す
るとはどういうことですか」と質問すると、事務室に案内されました。机上にパソコンしかない異様な
雰囲気でした。
 その時の写真がないので、朝日新聞の記事を紹介します。←ここをクリックして下さい。
 情報(教材)を共有化するとは、パソコンで扱えるよう情報・資料(データ)をデジタル化するというこ
とが理解できました。
 一度パソコンに入れたデータは、FD(フロッピーディスク)に保存したり、移動できることを学びまし
た。初期の段階では、FDが重要な役割を果たしました。
 やがて、LANが活用されるようになりました。
 LAN とは "Local Area Network"の略で、企業や学校の建物の中など、限られた範囲内でコンピ
ュータどうしを接続したネットワークのことです。
【2】 最初にLANを活用した実践例(この背景色はgold、文字色はblackです)
 医療・看護の進学希望者はなかなか優しく熱心です。映像で見たり、話を聞いたりして、憧れだけ
で進学すると、かなりハードな仕事なので、ミスマッチを起こす場合があります。
 そこで、高校2年生の1学期から、きめ細かな医療・看護の進学指導を行います。
 看護希望の生徒もいれば、医療系の希望者もいます。2・3年で大体50人ほどいます。彼女たち1
人に約10枚のプリントをホチキスで留めて、配布します。50人×10枚=500枚の紙代(お金)と、番
号順に並べて、集めて、ホチキスで留めます。これにはかなりの労力(エネルギー)が必要です。
 しかし、看護士のみを希望している生徒には、他の9枚は不要です。理学療法士のみを希望してい
る生徒には、同様にそれ以外は不要です。しかし、はっきりと決めかねている生徒には、色々な医療
系のデータが必要です。つまり、多くの無駄・非効率が生じています。
 そうした紙代(お金)・労力(エネルギー)・無駄・非効率を解決するために、LANでつながった50台
あるパソコンの活用を考えました。
 私が全員にパソコン画面を見ながら、全ての医療内容を説明します。必要なデータの印刷方法も
理解させます。
 生徒はパソコン画面を見て、必要なデータのみを印刷するという方法です。事務長は最初は、「生
徒が勝手に印刷すると膨大な紙代がかかる」と心配していましたが、「私が責任をとります」ということ
で、取り組みました。成功、成功、大成功でした。全ての課題が解決されたのです。
 @「視能訓練士」を希望した場合、「視能訓練士」をクリックします
A「印刷プレビュー」をクリック
B「印刷」→「OK」をクリック


←左の写真をクリックすると
 拡大写真が表示されます
 最初から、A4版サイズで印刷できるよう設定しているので、生徒は自分に必要なデータのみを印刷
できます。
 「視能訓練士」の説明や、合格率(受験者340人、合格者332人)、100床(ベッド)当たりの従事者は
0.1人などのデータを入力しています。医者は9.1人、看護士は22.6人なので、「視能訓練士」は専門
職であっても、非常に狭き門であることが分ります。夢は夢、現実を直視するのに最適なデータです。
 担任と生徒・保護者の三者面談に威力を発揮したのは、いうまでもありません。
【3】 神戸新聞の記事です(この背景色はorangered色です、文字色はwhiteです)
 神戸新聞(2007年6月27日付け) は、「芦屋市 庁内会議資料を電子化 年間83万円の経費節
減に」と題して次のような記事を掲載しました。
 芦屋市は七月から、市長をはじめ幹部職員が出席して、週一回開いている庁内会議(庁議)で使
う資料をすべて電子化する。出席者は紙ではなく、パソコンの画面に映し出された資料を見ながら
会議を進めていく。今後、庁内の文書決裁や会計処理、回覧事務もペーパーレス化するといい、資
源の節約と事務作業の効率アップを図る。
 同市は昨年から紙ごみの減量に取り組んでおり、今回の庁議資料の電子化はその一環。同様の
庁内文書の電子化は、県庁と西宮市で導入されており、県内では三例目という。
 芦屋市によると、議案など庁議の資料は庁内情報通信網(LAN)を通じて配信。会議室には新た
に二十二台のパソコンが設置され、出席する職員はその画面を見ながら会議を進める。会議内容
は終了後、幹部にメールで送信されるほか、レジュメをLANの掲示板に掲載、回覧に代えるという。
 庁議の電子化により、年間でコピー用紙二十七万枚分、約八十三万円(用紙代とコピー代)の経
費を節減。コピーなどの事務作業効率化にもつながるという。
 今月、二回の庁議で試験実施。問題がなかったため、七月二日から本格導入する。同市は「領収
書など一部はまだ紙が必要だが、電子化で環境への負荷低減と経費節減に努めたい」としている。
 ここでは、用紙代とコピー代の83万円の経費節減、コピーなどの事務作業効率化が取り上げられ
ています。
【4】 あしや瓦版の記事です(この背景色はviolet色です)
 あしや瓦版(2007年6月27日付け)は、「芦屋市が来月から会議をペーパーレス化」と題して、次の
ような記事をHP上に掲載しています。
 「芦屋市は7月から、市長や助役、部長級以上の幹部職員が出席して週1回行っている庁内会議
で、これまで印刷して配布していた資料をすべて電子化し、ノートパソコンで閲覧しながら会議を進
める形式を導入することになりました。事務手続きの効率化や経費削減が目的としています。
 市によると、これまでは会議のたびに、議題や図表などを掲載した20〜40ページの会議資料(A
4判用紙に両面印刷)を計34部作成していました。紙代や印刷代だけでなく印刷に伴う人件費もか
かるため、職員から「非効率だ」との声があがっていたという。
 このため、更新時期が来て日常業務に使われなくなっていたノートパソコンを会議室に設置し、文
書管理ソフトを使用して資料をすべて電子化。紙の資料は簡単なレジュメだけにし、パソコンの画面
を見ながら会議を行うことにしました。
 電子化に伴い、年間でA4判用紙が27万枚削減でき、用紙代と印刷代で計約82万円、印刷にか
かる人件費も約28万円減らすことができるという。市行政経営課は「効果額は限られたものだが、職
員の業務効率化や環境への配慮の意識付けにつながれば」と話しています。用紙代と人件費で
110万円は決して少ない金額ではありません」。
 ここでは、用紙代と印刷代の経費節減と印刷にかかる人件費も約28万円、合計110万円の節減が
取り上げられています。
【5】 市会議員の記事です(この背景色はlightblue色です)
 これはある市会議員のホームページにあった記事です。
 「芦屋市役所の会議が電子化されて、パソコンで行うと新聞にでていました。
 今頃なんだって?と思われる方も多いでしょうが、
議会の方はいったって旧体制です。
 委員会のみPCの持込が可能であって、本会議や代表者会議などは禁止されたままです。
おまけに、役所から来る書類はすべてペーパーです。
 ワードかエクセルで作られた書類をわざわざペーパーにするのって??
 第一、机が書類の山になりますし、検索も記憶とタグに頼っているのでは、非効率です。
 モバイルPCを持ち歩いている私はデータはメール送信して欲しいとお願いしても、やはりペーパー
でもってきますね。 
 経費節減より、労力の節減なんですがね・・・ 
 近く、議会運営委員会で正式に電子化データでもOKにしてもらうようにしたいと思います。 
ちょっと、ちょっと、議員にパソコンの貸与をお願いする議員さんもおります。政務調査費でも個人で
もパソコンぐらいは購入しなさい!!」
 ここでは、「ワードかエクセルで作られた書類をわざわざペーパーにするのって?」という不合理、
「検索も記憶とタグに頼っている」という非効率、「経費節減より、労力の節減なんですがね」という
意識改革を取り上げています。
【6】 議員さんに望む意識改革(この背景色はindigo色です、文字色はwhiteです)
 議会が始まる前に、ある市会議員さんに市当局から届けられる資料を見せてもらいました。多分
A4版で200枚以上はあったでしょう。熱心な議員さんだったので、関連のあるところに付箋をつけ
ていました。
 膨大な資料から、関連のある箇所を検索するだけでも大変です。私は、【5】で取り上げたように、
パーパーレスかしたデータをわざわざ紙データにするのか、不思議な気がしました。
 LANで閲覧、印刷できるようにすれば、自分の必要なデータのみ、入手できるのにと思いました。
 200枚の相生市に当てはめると、相生市は定数が16人ですから、16人×200枚=3200枚にな
ります。市役所の出席者はここでは計算に入れてません。
 紙代だけの問題ではありません。
 ワードなどのパーパーレスデータを紙データに印刷します。これを1ページに付き、200枚コピー
します。この作業は誰がするのでしょうか。自動化されているとはいえ、大変な作業です。
次に1ページづつ200の山にして、16人分の資料を作成し、最後にホチキスなどで保存します。
私も生徒と共にこの作業を何度となくしたことがあります。大変な労力です。
 電子化(デジタル化、ペーパーレス化)という発想さえあれば、簡単です。
 まず、行財政改革を主張する議員さんは、「行財政改革は意識改革でもある」として、是非、取り
組んでください。お願いします。
 行政も、同じです。お願いします。