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市民の心の糧として
「郷土のあゆみ−相生−」発刊にあたって
相生市長福居泰治
 歴史は「かがみ」だといわれます。わが相生の歴史をふりかえり、祖先の文化遺産を再認識することは、明日の相生を創造する上に必要なことだと思います。
 市制30周年を記念して「郷土のあゆみ ー相生ー 」を刊行することになったのはこのためであります。
 わたくしたちの祖先は、戦争や飢餓のくるしみに耐え、洪水に家を流されながらも、懸命に生きてきました。かれらのかなしみやよろこびはさまざまのかたちで、今も残されています。りっぱな文化遺産として、人々に注目されるものだけでなく、素朴な伝説や野のかたすみの石仏にも、祖先たちの祈りや吐息が結晶しているのです。
 こうした先人たちの足跡を一人でも多くの市民の心にとどけるよう念願しながら、この小冊をおおくりします。
 日本の歴史がもっともはげしく揺れ動いた時期に、市制30年を数えたわが相生は、今や人口4万2千、各方面にわたって播磨工業地帯発展の一翼を担っております。このときに、この小冊がみなさまの郷土愛を高揚し、発展への心の糧となることを祈念してやみません。
 おわりに本書の発刊にあたり、ご協力いただいた編集委員各位、さらに資料の提供や各種の便宜、支援を与えてくださった関係者各位に心からお礼申しあげます。

昭和47年10月1日

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