文福茶がま
文福茶がま
もと矢野町三濃山にあった求福寺の蔵。
その素朴な形態、求福(ぐぶく)寺という名前、そして湯がたぎるとシンシンと妙音を発して鳴る茶釜の特性が、だれにも親しまれた文福茶がまのおとぎ話と結合して、この愛称が生まれたものであろう。
古い民家の炉ばたで、まっくろにすすけた、とぼけたこの釜のたぎりを聴いていると、まぬけで愛きょうのあるタヌキを思いうかべて、微笑をさそわれるのである。