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ドイツ魅力のすべて

参加者がつくる(2)
↑(拡大写真=7万9719バイトにリンク)(地図提供:美奈子さん)
↑(拡大写真にリンク)(写真提供:ヅカさん)
(写真提供:アマデウスさん)

 子どもの頃、Loreley(ローレライ)という歌を唄ったことを覚えています。そんな関係で、ライン川下りを楽しみにしていました。
 私の好きな詩人の1人・ドイツ人のハインリッヒ・ハイネ(1797〜1856年)が作詞をしています。それをドイツ人のフリードリヒ・ジルヒャー(1789〜1860年)が作曲をしています。それは、1838(天保9)年のことですから、日本では江戸末期にあたります。
 1909(明治42)年、近藤朔風の日本語訳が紹介されました。

1 なじかは知らねど 心わびて
 昔の伝説(つたえ)は そぞろ身にしむ
 寥(さび)しく暮れゆく ラインの流(なが)れ
 入日(いりひ)に山々 あかく映(は)ゆる

2 美(うるわ)し少女(おとめ)の 巖頭(いわお)に立ちて
 黄金(こがね)の櫛とり 髪のみだれを
 梳(す)きつつ口吟(くちずさ)ぶ 歌の声の
 神怪(くすし)き魔力(ちから)に 魂(たま)もまよう

3 漕(こ)ぎゆく舟びと 歌に憧れ
 岩根も見(み)やらず 仰げばやがて
 浪間に沈むる ひとも舟も
 神怪(くすし)き魔歌(まがうた) 謡(うた)うローレライ

 ライン川クルーズの観光船に乗り込みました。場所代としてコーヒーを注文して、観光船の舳(へさき)に座り、ライン川の前景を眺めていました。St.Goal(ザンクト・ゴアール)の近くで、下船の連絡が入り、準備をしていると、突如、右手に見上げるほどの岩山が現れました。これがローレライに因縁のある岩山でした。
 地元の人の話では、「以前は、この付近は流れも速く、たくさんの岩が水面下に隠れていたため、多くの船が遭難した。今は、ご覧のとおり、川幅を広げ、水面下の岩も削り、大型の観光船も航行できるようになっている」ということでした。
 川を上下する船頭は、この岩山に向かって大声で話しかけると、木霊(こだま)が帰ってくるので、楽しみにもなっていました。
 こうした事実を、詩人ハイネは、当時の伝説を取り入れて、『ローレライ』の詩を作ったのです。

 ローレライとは、ドイツ語のluen(潜む)とley(岩)に由来しており、岩に潜む精霊とか妖精という意味に転じました。
(1)ローレライは、不実な恋人に絶望してライン川に身を投げました。ローレライは、水の精となり、彼女の声は漁師を誘惑しては、危険な岩山に吸い寄せ、船を次々と難破させたという話があります。
(2)13世紀の伝説には、髪を梳(す)く女王ホルダの姿がなまめしく、ホルダを見た者は視界を失い、ホルダの声に見せられたという話があります。
(3)海から迷い込んだ人魚が定住し、岩の上で恋の歌を歌ったりしていました。人魚が川に飛び込んで戯れている姿を見た人々が川に身投げした少女と錯覚したり、人魚の婿入りした船頭が姿を消したことで、遭難したと勘違いしたという話もあります。さらに、その船頭は、ニーベルングの黄金(人魚の財宝)を護っていると言われています。

ツアーコンダクター美奈子さんの旅のメモです
 昨日は、良く眠れましたか。電車の音がちょっとうるさかったですね。
 今日は、ホテルのすぐ近くの船着場から、ライン川クルーズを楽しんで頂きます。全長1320kmのうち、698kmがドイツを流れていて、ドナウ河の『母』に対して、「父なる河」と呼ばれています。
 ぶどう畑や中世の古城が右に左に見えてきました。St.Goal(ザンクト・ゴアール)の町まで約2時間のクルーズです。
 ラインガウワインとは、ライン河北岸で生産されるワインのことです。この地域は、「太陽が2度当たる地域」と言われ、1度目は日当たりの良い南向きの斜面、2度目は川面に反射した太陽の熱と光のことを指しています。
 10時20分にリューデスハイムを出発し、ザンクト・ゴアールで下船し、12時10分にOberwesel(オーバーヴェール)に着きました。

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