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ドイツ魅力のすべて

参加者がつくる(13)
ベルリン〜フランクフルト〜関西空港
自転車専用道路 左が歩道、中央が自転車道路、右が車道
うらやましい!! ドイツの自転車事情
(1)ドイツにに在住する人のリポートです。
 ドイツ人は運動と旅行が大好きです。運動も旅行も、自転車を利用します。若い人、老いた人、家族連れ、さまざまな年齢層の人が専用の自転車道を使い、近郊や郊外へと出かけていきます。
 国中のいたるところにサイクリングコースが整備されているので、気力と体力と時間さえあれば、日本のように交通量の多い幹線道路をひやひやしながら危険を冒さなくても、すいすいと安全に行けるようになっています。
 かなり年配の研究者とその奥さんは、アルプスの山々を自転車で越える計画を持っていました。
 乳母車をけん引している自転車をときどき見ます。これは、自転車道が安全という前提なればこその可能な光景です。
 ドイツの自転車族は、右折・左折の手合図を確実に実施しています。子どもや大人のそれを見て、まねる(学ぶ)様子をよく見ます。
 ドイツの自転車にはブレーキがありません。ペダルを前にこぐと前進、後ろにこぐとブレーキになっています、これに慣れるまでに、結構時間がかかりますが・・。

自転車道を歩くと怒られる!! ドイツの自転車事情
鴎外記念館の看板を指し示す私
右上(鴎外記念館)
左下(ブランデンブルク門)
苦労してやっと森鴎外記念館に行けました
舞姫などの舞台がここで誕生したと思うと感激
(2)私たちは、自由時間に、ホテルから近いブランデンブルグ門を通って、森鴎外が下宿していた場所を撮影しての帰りです。歩道で前を行く人が一杯だったので、その人を追い抜こうとして、左側に出た時です。後ろから巨体の紳士から大声でわめかれました。ドイツ語なので意味は分かりませんが、「ドケー!!」という内容だったのでしょう。妻から手をひっぱられて、元の場所に戻って、左側を見ると、歩道とやや色が違った道路でした。歩道とは段差もありません。しかし、ドイツでは、歩いてはならぬ自転車だったのです。日本では、車や自転車より人間が優先されるので、びっくりしました。
 ドイツ時代の森鴎外と再会できた感激に冷や水を懸けられて感じだっただけに、ドイツの自転車事情を調べるきっかけを与えてくれた小事件でした。

 ドイツ在住の日本人のリポートでは、「ドイツの場合、原則的に歩道上を自転車で走ることが禁止されている」「交通量の多い大通りなどでは、歩道上に赤く塗られたり、自転車の絵が描かれたりしている自転車通行帯がある」とあります。こういう場合、特に注意が必要ということです。
 日本では、自転車は法律上「軽車両」とされ、原則的に車道上を通行することになっています。 現実的には、自転車を運転する人も、自動車を運転する人も、車道上の自転車は危険を感じるので、歩道上を走行しています。お巡りさんに見つかっても、事情を説明すると、交通違反を問われることはあまり聞いたことがありません。厳密に法律を順守させるには、日本の道路事情では不可能といえるでしょう。

車より自然や人間にやさしさに転換!! ドイツの自転車事情
(3)ドイツに在住する人のリポートを続けます。
 電車にはそのまま自転車を乗せる事が出来ます。疲れると、電車に乗せられるので、遠方への自転車旅行も可能となります。
 通勤・通学、さらには買い物にも自転車を利用しています。
 ペダルのチェーン部分のカバーがついていないので、右のズボンの裾が黒くよごれます。そこで、ドイツでは、片方だけズボンの裾をまくっている人が多いのだ。
 自転車の走行速度は早く、時速30qで爽快に走っている。近距離なら、渋滞する自動車より、目的地に早く着く。
 自転車族に快適な環境は、自転車を主役とした交通システムが確立しているからだ。ドイツのミュンスターでは、クルマは都心部から排除され、変わって自転車と公共交通機関(鉄道・トラム・バス・タクシー)が運搬の役割を担っている。自転車道が街中に張り巡らされている。市の最中央部にはクルマはおろか自転車すら侵入することが許されない。そこは歩行者のみが通行を許されている。
 ヨーロッパでは、人間性を復活させようと、都市の主役を自動車から自然や人間にやさしい自転車に転換させています。
 戦前、日本人の勤勉で誠実、物を大切にする文化を大切にしてきました。これは、ヨーロッパの文化と共通点があります。
 戦後、日本人は物を大切にする日本文化を、大量生産・大量消費のアメリカ文化に転換してしまいました。
 もう一度、立ち止まって、ヨーロッパ文化を学び、取り入れる時期が来ていると思います。

くまなく専用道→交通手段 車抜く
自転車が37%、革は36%
 朝日新聞(2010年3月30日付け)は、「ドイツ 街あげ 自転車社会」と題して、次の記事を掲載しました。
 幅5メートルほどの道を自転車で走っていると、後ろから車が近づいてきた。道のわきに寄ろうとしたら、一緒に走っていたプロリアン・へースカンプさん(31)が声を上げた。「寄らなくていいよ! ここは自転車優先だから、真ん中を走っていればいいんだ」
 ドイツ西部のミュシスターは「自転車の街」で知られる。市の交通計画担当、シユテファン・ベーメ氏は「自転車と車は平等。自転車が気持ちよく走れるようにするのが政策の基本です」と語る。
 戦後すぐ自転車道が造られたが、当時は、車の通行を妨げて渋滞を招く「厄介もの」を切り離す狙いだった。
 クルマ社会を迎え、街が車であふれそうになったため、1974年に自転車交通を積極的に進める計画をたてた。環境政策としても位置づけた。
 市の定期調査では、裔民の交通手段の割合は62年には車39%、自転車29%だったのが、2007年には逆転し、自転車が37%、革は36%に。
 「脱クルマ」をさらに進めようと、ミュンスターには「車を持たない」と約束した人だけが住める市営団地がある。
 2万7千平方メートルの団地に車は進入禁止だ。大人も子どもも、車の往来を気にせずに済む団地内の道路で遊んだり、スポーツをしたり。「みんな外に出てくるので、『近所にどんな人が住んでいるのか知らない』なんてことはないんです」
日本の自転車道 車道の0.2%
 日本で自転車先進地とされる名古屋市でも、歩行者や車と分離した状態で自転車が走れる道の総延長は約63キロで車道の0.9%に過ぎない。国土交通省の調べでは、全国だと約2900キロ、0.2%にとどまる。
 NPO自転車活用推進研究会の小林成基事務局長は、「クルマ優先の発想を転換してほしい。首長が本気になれば、車の速度・乗り入れ制限などソフト面の対策にも取り組めるはずだ」

ツアーコンダクター美奈子さんの旅のメモです
 今回はありません。

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