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有名人が高校生に贈る 『心に残る一冊の本』

凡   例


藤本義一氏の『李陵』と古川哲史氏の『西郷南洲遺訓』



テキスト:001 **藤本義一(昭8)小説家  
 中島 敦「李陵」(新潮文庫)
 『中島敦の作品は、天才でないと書けないものだと感銘した。宮刑(不能者にする刑)を受けた後の李陵が幽囚の身で、あの膨大な史記を書くのが、おれの胸を抉った。(本当のことをいうと、本は自らがさぐり出すものであり、こういうアンケートには反対ですが)』

略歴など:昭和後期-平成時代の放送作家,小説家。
昭和8年1月26日生まれ。大阪府立大在学中から「つばくろの歌」などラジオドラマの脚本をかく。卒業後,映画会社各社で多数のシナリオを執筆。昭和40年からテレビの深夜番組「11PM」の司会者をつとめるなど,幅ひろく活躍。49年「鬼の詩(うた)」で直木賞。若手漫才師,漫才作家の育成にもあたった。妻はエッセイストの藤本統紀子。平成24年10月30日死去。79歳。大阪出身。本名は義一(よしかず)。作品はほかに「元禄流行作家―わが西鶴」など。

”ふじもと-ぎいち【藤本義一】”, 日本人名大辞典, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2013-04-18)



テキスト:002 **古川哲史(明45)東大名誉教授 日本思想史 
 「西郷南洲遺訓」(岩波文庫)
 『わたしの学んだ旧制中学の校訓は「敬天愛人」であったが、この語は大漢和辞典に「西郷南洲の語とあるはど南洲の精神生活と深い関係がある。実は南洲の発明した語ではないのであるが、この語のもつ深い意味は「遺訓」によって学ぶほかはない』

略歴など:昭和後期-平成時代の日本思想史家。
明治45年5月8日生まれ。昭和31年東大教授。のち亜細亜大教授。国文学,日本史学,宗教思想,芸道思想などの資料をもとに日本の倫理思想史を研究。師・和辻哲郎とともに「葉隠」の校訂をおこなった。平成23年8月22日死去。99歳。鹿児島県出身。東京帝大卒。著作に「日本倫理思想の伝統」「理想的日本人」「日本的求道心」など。

”ふるかわ-てつし【古川哲史】”, 日本人名大辞典, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2013-04-18)