熟女のパソコン苦戦記(3)

パソコンで夢がかなうかも

  私がパソコンをしようかなと思ったのは、料理を素材別に整理がしたいからだ。料理の本や切り抜きはどんどんと増える一方だし、何か簡単な整理方法はないものかと思案していた。
 
 夕方、家族がお腹を空かせて帰ってきた時に旬の料理がササッと出てきたら疲れも少しはとれるだろう。人間美味しい物を食べると自然に顔がほころんでくるものだ。だから主婦としては少々忙しくても、掃除はサボっても、料理だけは手作りのものをと願ってきた。
 
 ところが、現実には冷蔵庫を開けて、材料を見て、「たしか以前に家族が喜んだアレを作ろう。」とするが、アレがどの本だったか1年前の事、探してページをくっても記憶が定かでない。5分10分経ってくると「モウ、ヤーメタッ」となってまた、いつもの変わり映えのしない料理になる。
 
 元々レパートリーが数少ないのに最近では惰性虫・横着虫というのが取り憑いて更に少なくなり、今や幾つかの献立を数日で回しているという哀れな状態だ。
 
 例えばタケノコが旬だとする。私の願いは「タケノコ」と探すと、煮る・焼く・揚げる・炒める・あえる・ご飯物等 即座に何十種類もの料理の調理方法や分量が出て来て欲しい。それが出来るようになれば何と素晴らしいだろう。主婦の夢ダヨ。ジャンジャン作るヨ。
 
 パソコンが、あきらめかけていた夢を可能にしてくれそうだ。そう思って始めた。決めると行動は早い。すぐにパソコンとデジタルカメラを用意。デジカメは操作も簡単。今まで集めていた切り抜きや本を写しまくった。「一度にするな。」と言う師匠の言葉も聞かずに。
 
 1日目に張り切って何十枚も写し、腰が痛くなった。それが、また大きな失敗になってしまった。
                         (来月につづく)