熟女のパソコン苦戦記(50)

我が家の椿です  心に空洞が・・・

 3月末、我が家にとって特別大切な人が亡くなってしまいました。20年来の友人であり、パソコンの大恩人であり、嫁の父でもあります。57歳という若さで癌でした。家族の必死の看病の甲斐もなく半年程で帰らぬ人となってしまいました。気のいい優しい人でした。
 
 機械にめっぽう強く、自動車は車検に出さずに自分で点検修理をするし、電気製品が故障すれば嬉々として自分で部品を買ってきて直してしまうという人でした。奥さんが「新しい電気製品を買いたいのにちっとも買えない。」とぼやくほどでした。
 
 デジカメは20年程前に、まだ私達が見たこともない頃から持っていて時代の最先端を行ってました。それを見せてもらって、夫が「自分が求めていたものはこれだ!」とデジカメの勉強を始めたのです。パソコンも節目節目にアドバイスをしてもらい、ハード面では全面的に助けてもらっていました。時々電話をしてきて「パソコンの調子はどう?何時でも行ったげるで。」とたずねてくれていました。いざ調子が悪いと連絡すると、仕事を終えてから我が家に来て夜中までかかって直してくれることもありました。そんな時私はそこに居ても分からないし邪魔なので「お先に。」と言って二人をおいて寝てしまった事もありました。

そういうサポートがあったからこそ、夫は安心して色々な事にチャレンジ出来たようです。「自分が今あるのは三徳さんのお陰」と常々言っていました。その二人が話している事は私には宇宙語としか思えない全く理解できないものでした。しかもどんな故障でも原因をピタリと言い当て、私のパソコンやプリンターもよく直してもらいました。私にとっても神様の様な大きな存在でした。それだけに亡くなると心の中にポッカリ空洞が出来てしまいました。パソコンに向かうと、穏やかな笑顔で「がんばれよ」と言ってくれてるような気がします。