歴史遺産でまちおこし　相生の有志が会結成

今後の活動方針などについて意見を交換するメンバー＝相生市那波南本町

地域の歴史遺産をまちおこしに役立てようと、相生市の有志十五人が「相生伝承文化を発信する会」を結成した。今年は市内に伝わる和泉式部の捨て子伝説を題材に、史料発掘や講演会、演劇公演、地域行事の復活などを企画している。（中西幸大） 　同市には平安時代の歌人和泉式部が育児に困って捨てた小式部を、同市の長者が拾って育てた伝説とともに、ゆかりの史跡が残る。 　この伝説をまちおこしに活用しようと、歴史研究や踊り、絵画、演劇など多彩な分野から三十-七十代の男女が発信する会に集まった。メンバーの多くはこれまでに伝説ゆかりの作品を手掛けたことがある。 　発信する会は各メンバーの特技を生かし、多彩な活動を計画。今年は、和泉式部が相生来訪の際に雨宿りしたとされる「枝垂（しだ）れ栗（ぐり）」の一部が残る得乗寺（とくじょうじ）（同市那波本町）での月見会の復活のほか、関連作品や歴史資料の展示会などを企画し、旧家に残る史料発掘にも取り組むという。 　同会会長の黒田信次さん（７５）は「自分たちの足元をじっくり見つめることで、相生の良さを積極的に発信していきたい」と話している。

神戸新聞サイト版（２００９年５月３１日）

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