佐多稲子と「素足（すあし）の娘」

「素足の娘」の表紙

「素足の娘」の本文

相生が文学作品の中に部分的にとりあげられることは時にあるが、著名な作家の代表作の中に、一貫して主要な舞台として登場するのは、佐多稲子の「素足の娘」(１９４０年発表)以外にない。これは開花期を迎えた多感な少女が、第一次大戦の荒々しい好況にわく相生の街ですごす、約２年間の生き方を描いた作品である。 　相生市民にとって、大正中期の相生のようすが克明に描かれていて、その点でも興味ふかいものがある。