元禄14年3月14日発行夕刊
(第048号)
上野介さんの尋問調書も
独占入手
目付の大久保忠鎮さんらが上野介さんを尋問
この尋問不足が第二の事件の遠因となる
吉良上野介さんに切り付けた浅野内匠頭さんの小さ刀(大石神社蔵)
大久保さんが上野介さんを尋問(角石氏模写)
上野介は「内匠頭の乱心以外ない。
老人なので何の恨みか全然覚えていない」
と強弁
私(大久保)らが上野介さんを尋問しました。「何の恨みがあって内匠頭から場所を考えずに、切りつけられたの
か。覚があろう。正直に言いなさい」
すると上野介さんは「私は何の恨みも受ける覚はありません。全ては内匠頭の乱心である。又私は老人なので、
恨みについて全く覚えがなく、申し上げようもありません」と返答しました。
史料原文
同役両人上野介江申渡(中略)、
其方義何之恨を請候
而内匠頭御場所柄ヲも不憚及刃傷□□(候哉)定而覚
可有之、
有体可申立と申渡候
処上野介返答ニは、
拙者何之恨請候覚無之
全内匠頭乱心と相見へ申候
、且
老体
之事ゆへ何の恨申候哉万々覚無之
由外可申上義無之
由
(旨)返答(略)
出展
「多門伝八郎覚書」(赤穂市発行『忠臣蔵第三巻』)
講談社『忠臣蔵とその時代』
凡例
文字
−原史料を抹消している箇所