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元禄14年3月14日(第079号)

忠臣蔵新聞

赤穂への早駕籠状況
(3月14日)

大学さんから第二報

息継ぎ井戸(米谷朝五郎画) 藩札(大石神社蔵)

第二報
浅野大学さんより内蔵助さんへの書状
@内匠頭さんの刃傷
A大切な第一は藩札交換

 一筆連絡致します。今日14日勅答ということで登城され、殿中で吉良上野介さんを内匠頭
さんが一太刀切り付けられた所、目付衆が引き離し、内匠頭さんには別条はなかった。これ
は言語に絶することである。これにより水野監物さん、目付近藤さん、そして天野さんが「火の
元に気を付け、騒動しないように」との老中の命令によってこの上屋敷に来られた。それにつ
き赤穂の家中の者は騒動しないように命令する。かつ組頭へも私たちの言うことを分からせ
てもらいたい。そのほか物頭や諸役人へも言い聞かせてもらいたい。二人の内江戸に来る必
要はない。

 なお早水藤左衛門さんと茅野三平さんを派遣した。詳細の内容の第一は藩札のことである。

史料原文

  態一筆申達候、今十四日 勅答ニ付登 城被成、於殿中吉良上野介殿ヲ内匠様一太
  刀御切付之処、御目付衆取分ケ被申内匠様別条無之由ニ付、右之段絶言語事候、依
  之水野監物殿・御目付近藤平八殿・天野伝四郎殿家中火ノ許急度申付、騒動不仕候
  様ニと御老中被仰付候由ニ而此許屋敷へ被参候、夫ニ付其元家中者共城下之町騒
  動不仕候様ニ急度可被申付候、且又組頭共へも我等申候由右之段可被申聞候、其
  外物頭・諸役人へも可被申渡候、各仲ケ間少候間両人之内罷下候儀必無用可被仕
  候、為其如此候、恐々  
    三月十四日       浅大学(浅野長広)御書判
       大石内蔵助殿
       大野九郎兵衛殿

  猶々早水藤左衛門・萱野三平差上候節委細申達候趣之第一札座之儀宜可被申付候、
  已上
出典
「赤穂城引渡覚書」(赤穂市発行『忠臣蔵第三巻』)

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