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元禄14年3月14日(第080号)

忠臣蔵新聞

赤穂への早駕籠状況
(3月14日)

原さんらの第三報
老中の書状「親戚中で騒動しないようにせよ」

江戸城大手門 大石邸長屋門(丸山利一郎画)

原さんと大石瀬左衛門さんを赤穂へ派遣
@主君内匠頭さんの切腹
A老中土屋さんの書状

 3月19日夜、江戸より原惣右衛門さんと大石瀬左衛門さん二人が早使を以て主君の内匠
頭さんが去る14日暮に死去されたことを告げて来た。戌の下刻に到着し、老中土屋政直さ
んよりの書状を持参してきた。
 浅野内匠が吉良上野介を意趣があるということで、時といい殿中をはばからず理不尽に切
り付けたが、これは不届至極であるとお考えになり、内匠には切腹を命じられた。知行所と
ご当地の家来が作法よく騒動しないように親戚中で相談して命令しなさい。

史料原文

一 同十九日夜従江戸原惣右衛門・大石瀬左衛門両人以早道(遣カ) 殿様去十四日暮
   時御生害被成候由告来、戌下刻到着、(老中)土屋相模守(政直)様より被 仰渡御書
   付持参
                                         戸田采女正
                                         浅野美濃守(長恒)
  浅野内匠儀吉良上野介ヲ意趣有之由ニて折柄と申、不憚 殿中理不尽切付候段不届
  至極被 思召候、因茲内匠儀切腹被 仰付候、知行所并御当地之家来共作法能騒動
  不仕候様ニ一類中相談可被申付候、以上
    三月十四日
出典
「赤穂城引渡覚書」(赤穂市発行『忠臣蔵第三巻』)
凡例
( カ)−誤字であるか意味の通じないとき

戸田氏定さんから内蔵助さんへ
「浅野大学さんの為にも赤穂家臣は騒動するな」
(氏定さんと内匠頭さんとは従兄弟、大学さんは実弟)

 今晩老中土屋政直さんより戸田氏定さんと浅野長恒さんへ書状で命令されたので、赤穂の
侍は全員、町方全員に至るまで騒動しないように命令する。
 この上は浅野大学さん(内匠頭の弟)の為であるからこの意味を家中の者に申し伝えなさい。 

史料原文

   一筆申入候、今晩土屋相模守(政直)殿より采女正・美濃守江如斯之以御書付被仰渡候
   間、其元家中侍中末々迄并町在中に至迄騒動不仕物静に仕罷在候様に急度可申渡候

一 (略)此上は大学(長広)殿為に而候間此趣家中之面々江可被申渡候、恐々

  三月十四日
               浅 美濃守
               浅 大 学
               戸 采女正
      大石内蔵助殿
出典
「戸田家御用留(4)」(赤穂市発行『忠臣蔵第三巻』)

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